2012年12月アーカイブ

アートコレクターには初掲載です。ご縁を頂きまして感謝します。
タンポポの長い根のように、コツコツと草の根的に積み重ねて、自分が好きな小さな黄色い野花を咲かせたいです。
写真は福岡城の大濠公園内でスケッチしました。

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※校閲・掲載 Artplayer

ホイッスラーの風景画に寄せて

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私にはどうしても生涯忘れられない絵が2つあります。その一つに10年前に見た、ホイッスラーの風景画があります。
元々水彩画作家でになりたかったので、印象派のターナー目当てにターナ&モネ&ホイッスラーの展示をたまたま旅行中の日程とあったので観覧しました。
その作品はテート川の夕べを描いたものでした。
赤色味を帯びた棚雲はない。昼間の空色ではなく、少し、マリンブルーのような、それでいてラベンダー色のような、何とも形容しがたい、夜空が画面の三分の一ほど。
それから、産業革命を迎えたロンドンのポツポツとした街灯、それらを静かに映し出した川が描かれていました。
作品の画面全体的に灰色がかったスモーキーな色合いなのに、油絵の具の特性なのか、キラキラとしてみえていました。
制作中の逸話として、ホイッスラーは1時間ぐらいで船上から街の夕べの様子を見ながらちゃちゃっと描きあげたとか。
私はその絵の前から数時間は動けませんでした。

いつかあんな絵が描いてみたいな。
そうは思うも、自分の作風には合わないなと諦めていました。
しかし、今日は道具の不具合で画材屋に急遽閉店時間に間に合うようにバス停に急いだら、まさにこんな光景を見ました。田舎で河もありませんが、黄色い月に、淡いグラデーションを描く夜空の様子。ごちゃごちゃとした生活感溢れる街がただのシルエットのようにみえて、とてもスッキリした気分になりました。
それを見ていたら、日本画ではあまり描いたことがありませんが、抽象画じみた青い絵が描きたくなりました。
もとより、制作過程で一番時間を注ぐのはスケッチ、次に背景作りだったのですが、いつもついついモチーフを描きすぎて背景が見えなくなってしまいます。
スケッチはあくまで形を整えるための鍛練だと割りきって、今回は、写真にあるように左側の背景のものに、右側の月に見立てた水仙をシンプルに一輪挿しにしてみます。

あれからあの作品には逢えず、10年も経つのに。もとより制作から100年ぐらいは経っているだろうし。けれども、こうして10年もかけて思い続けて試行するにつけ、一つ信じている事があります。

あの絵は、私に会うためにあそこに飾られていたんだろう。 

ということです。いつも通りの背景だと暗く重く深い色合いを目指しますが、今回は四苦八苦して明るく軽く浅い色合いと、逆向きの描き方をしているので、せめてそう信じたいです。

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引きこもり制作

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昨日は車検に行く母に付いていきました。と、言いますのも我が家は裏側が山のようになっていて、日暮れが早く、手元が見えませんので、麓のほうにある車販売店へ道具一式を持って描きに行きました。線に凝っているお陰で、画面に筆と墨だけでOKです。墨は滲んだり散ったりしやすいので、膠を多めにして、ニスのような状態で、凹凸面に描いていきますが、お陰でドロッとして水分が少ない分、すぐに乾いてしまいます。かさついた線は目指すところではないので、一筆描いては筆先を整えて、墨をすくっています。
元が明るいお陰で、大分描きやすかったです。ところで、ショールームには、ウェルカムドリンクに大好物のコーヒーと(3杯頂いた)乗ってみたい車と、細やかながらプチクリスマスツリー等の飾り付けが。

そうか、クリスマスだったか... 

と、今頃気が付き、制作の合間に慌てて家族にクリスマスプレゼントを用意しました。近所のモールでは24日に出現した「慌てんぼうのサンタクロース」でごったがえしていました。
夕暮れ時の町は寒いですが、暗くなるほどにイルミネーションの明るさが目につきます。

メリークリスマス!

と、季節に乗じて書いてみました。
いくら忙しかろうが、キレイに見えるものはどうにもキレイで、何だかんだで人恋しくなります。
さて、先程仕込んでおいた和紙に水分は染みたでしょうか。
今から家族に貰った暖かストールを肩に引っ掛けて、もうひと描き。
こんな調子でいつも通り、制作三昧の29歳のクリスマスを私は今年も過ごしました。

季節は誰にでも平等に訪れるもので、
あとは自分がどんな風に感じるかなのだろう。
そして、誰と共有出来るかでその価値が決まるのかも知れないな

と、早くも年の瀬の寂しさと正月の華やかさを思いおこしながら、引きこもり制作を続けています。

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線描画制作中

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写真はずいぶんと前の作品の筆入れ(骨描き)。下手くそで悲しくなる写真です。

今回の展示に向けて、この描線のみの作品を仕上げています。ついいつもと違うことを試して見たくなりました。ハガキ2枚分の大きさなのに、2日がかりでも半分も終らず。
ただの線、されど線。


線は日本画の基本ですし、普段のスケッチでは下書きは無く、一発で仕上げる事が何とか出来ます。
しかし筆で地面の如く凹凸のある画面に滲まずに一発で描き出す難しさを今さら痛感しています。

いつも通りの仕事をやれば良いのに、出来ないのは、性であり、傲りである。
謙虚さを持って、冷静にやり遂げること。

髪の毛の先程の筆先に翻弄されて振り回されている現状を思うにつけ、私はまだまだ基本がなっていないのだなと、身に染みる思いがしました。



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スケッチについて

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産業大学の近くは、こんな風景がふつうにある自然豊かな場所でした。

遠くにみえる景色は、博多湾の向こう側、金印が見つかった志賀島に向かう宮地嶽線の二両編成の西鉄電車が時折、湾内をぐるっとめぐっていく様子が、カタンカタンという音と、車窓の明かりでわかります。
を見上げると、博多湾の向こう側、本州の方から、街中の福岡空港に向けて飛行機がやってくるのが見えます。

この場所は和白干潟。白い藤が咲く枝で、これから大きくなる花房がシルエットで見えています。朽ちた木造りの小さな漁師小屋のような廃墟に、自生した白い藤が絡み付き、開花の時期には圧巻でした。

現在は取り壊されて、小屋も、藤もなくなってしまいましたが、この時は、人影はほぼなく、波音もない静かな磯部の風景を湛えていました。

スケッチにかこつけて、こんな場所を独りで何時間も楽しめるなんて、最高だなぁと思いました。
ー 場所:和白干潟


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「美術の窓」に個展の記事を書いて頂いたようです。
ご担当者様、ありがとうございます。
広告を出して下さったあらかわ画廊様にも感謝致します。
記事の内容についてはまた明日触れます。A様へのご返答も必ず。

10年ほど前、奇妙な夢を見ました。
西陽がさして、オレンジ色の病室でベッドにいて食事用のテーブルに絵の道具。自分は患者用の服をを着て、筆を持つ腕は細く、どうやら後はないらしい。友人や家族が駆け付けてくれるも、どうにもまだやり残したことがある気がする。面会は全て断ってひたすら花を描こうとしていました。
それまではどうして自分だけがいつもこうなのか、駄目な人間だからこんな目にあうのかと散々泣いて喚いていた癖にいよいよな時になった途端に本当にやりたいことや自分の気持ちが見えてきたのです。
画家としての成功だとか大層なものではなく、目の前の花と向き合い、一輪でも多く描きとめたかった。私よりも草花が絵の中では長生きしてほしいと思いました。その行為にどんな価値があるかなんて私にしかよく解らないようなもので、教科書に載るような立派なことでは無いと思います。
ただ、自分の生き方のようなものを最期まで通したいという思いを強く持ちました。
勿論ただの夢ですが、入院中でしたので、ちょっとリアルで印象的でした。
そう言えば、今回もまた入院したその日の夜には植物とスケッチ道具を一式揃えてもらい、翌日は動ける範囲で院内の植物を漁って、描きたいものに目星をつけました。翌日から退院まで毎日スケッチに出掛けては回診の時に不在だったりして。とんだ不良患者だったと同室の患者さんに心配をかけて反省しました。
外来患者の受付近くに飾られたバラやレクレーション室に備え付けの良くできた造花、図書館の机に生けられたカスミソウなど、病棟は生花を禁止されていましたが、それをどこかしらで見付けることに躍起になっていました。
そんな折りに特に気に入ったのは夜の帳の降りる頃の病棟の屋上庭園です。パンジーが色とりどりに花開いていました。パンジーの花は赤や青、紫に茶色、黄色に白と一輪一輪の模様や色合いが全く違ってどれを描こうか迷いました。
やはり深い秋に羽織るものもなく入院着では寒く、それなりの体調だったのですがスケッチをする間は全く気になりませんでした。
そう言えば、屋上からは私の実家も見えていたはずで、少しは感傷に浸って家に帰りたいという気持ちが沸きそうなものが、全くありませんでした。やはり未だにあの病棟の誰もいない屋上庭園からみた青紫に染まる夜が始まるころの空や我が街の初めて感じた美しさが頭から離れません。
私のための場所だったと。
退院時には全ての花を描ききれなかったことに名残惜しさすら感じてしまいました。

いつでも叶いそうな日常的な事の繰返しが人を満たしてくれると実感しました。
その辺の花が咲いていたのを見て嬉しくなる。人としてそれで十分だなと。


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絵画教室で年賀状を作りました。

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ラキラのりや千代紙、和紙やスタンプを自由に使って、色紙と年賀ハガキを作り。 

いつも月曜教室では最初の一時間はスケッチの練習をして、休憩にみんなでコーヒーを飲んでマッタリしつつ、後半では絵画技法の基礎を習得して残り時間はまたスケッチと、基礎的な勉強に徹しています。
なので、年末年始は年に一回の息抜きがてらいつも色んな分野のことを楽しむ回を設けています。

子供の頃の図工の時間を思い出して、皆さんで楽しく制作をしました。

結構熱心に取り組んで頂き、時間を延長しての教室でした。

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スケッチ

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ようやく一つ作業が終わりこれからバイトです。
この写真は、日課にしているスケッチの現場にある野花から望む街の様子です。 
ここは福岡市の西の外れで、遥か向こうに、博多湾に広がる馴染みの夜景が広がっています。この高台の車の通れない車道にモチーフにしている野花があります。
日暮れた後に缶コーヒーを片手に街灯の下、モチーフだけを見詰めてスケッチをする。そんな時に背中にある夜景は見えなくても、最高に気分がよく、気持ちが落ち着きます。

誰しも名優でなくとも、色々と都合上から、あるいは優しさから例えどんなに親しい人に対しても言いたくても言えないことは沢山あると思います。
それを口にしたところで軽く響いてしまうような、胸に貯めておくと、中毒になってしまうような秘密にしておきたいことは長く生きる程に増えていくのかもしれません。 
そんなものを、スケッチをしながらついつい植物に心で話しかけています。
黙して語らない聴き上手は、なるべくじっとして。たまに風に揺れながらも、私の筆を走らせてくれます。
一筆一筆ごとに呑み込んでいた言葉を吐き出せてしまうようで気楽になります。
気兼ねなく晩酌を酌み交わすような最中では、冬の寒空の下でもただただ夜風が心地よいと感じます。

最近は写真で描く手法も一般的になりましたが、スケッチは独りで飲みたい時に夜な夜な通う飲み屋みたいなものです。これだからスケッチはどうしても止められないのだと染々思いつつ。

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近況報告

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近頃は色んな事が重なって、毎日どこかに希望がないだろうかとついつい幸運を探す癖がついてしまいました。
そんな今日は日課のスケッチ帰りに投票所となっている小学校の体育館に行きました。

私が子供の頃に通った小学校は卒業して17年ほど経ちました。
その体育館に、1つの跳び箱を見付けました。その側面には卒業記念にクラスのみんなで宇宙をデザインしたものを描きました。下書きは私がしました。つまり、私がデザインした絵が未だにお色直しをされて残っていたのです。 
残念ながら選挙会場なので撮影は出来ませんが、目によくよく焼き付けて投票所を後にしました。
私は子供の頃、体育が苦手で跳び箱はなかなか飛べませんでした。いつもひっかかって痛い思いをしていました。体育の授業では準備するにも重いですし、憂鬱な存在でした。
そんな存在が、今では私を支えてくれるなんて。痛くて重くてツルツルしていて、四角で、下手な絵だったかも知れませんがただの跳び箱ではなかったと。
帰りに、樹齢100年以上の校庭の木を擦って、少し元気を貰いました。冬だから木の葉は落ちて、見上げると夜空が太い幹の向こうに見えました。
曇り空で辺りは暗く月もよく見えなくて、木枯しが寒い。けれども擦ってみた樹木の樹肌は妙に暖かく感じられて、子供の頃もこうだったと思い出していました。

今日も希望の星を見付けたようです。 

本日の制作を終えた今はまた宇宙の描かれた跳び箱を思い出して、子供の頃の夢は北極星のようなものだと思いました。


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ホームページの運営方針について

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2012年12月より作家の手術・入院を経て未だ体調不良であることをうけ、
ホームページの更新・管理業務をSimple-Smile(シンプルスマイル)にて委託承りました。

これまでも、ブログ等の掲載内容を本人と非公開のSNSやメールで共有し、精査を行った上で一般に公開をしておりましたが、これからも作家の意向を汲みつつ、弊社の掲載指針として不特定多数の閲覧に適した文面を責任をもって一般に公開し、掲載しまいります。 

これまでの掲載内容も含め、万が一、掲載内容に問題がございましたら、
お手数ですが下記のリンク先お問い合わせフォームよりご一報頂けましたら幸いです。

 お問い合わせフォーム > http://www.tachiki-yoshie.com/contact.html 

今後とも作家の本意を汲み取り、向上に努めて参りますのでよろしくお願い致します。


 Simple-Smile(シンプルスマイル)
 Artplayer 担当一同 

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